世の中には二種類の人間がいる。
この言葉、たま〜に人生で遭遇しますよね。本とか映画とかドラマとか。僕このセリフがでてくるとなんだか元気がなくなります。自分がその二種類の良い方に属するかもな?と思ったとしてもです。決めゼリフっぽし、断定だし、なんだかかっこよさそうに聞こえるような気もするんですが、なんかしっくりきません。
このセリフを聞いた時に考えることは、さてこの意見を言った人は、自分がどっちだと思っているんだろう?です。二種類の人間がいるって事は、その時点で1つのものを2つに分けたということだと思います。そしてその二種類はうまいこと上下関係ができています。上下関係ができていると感じるのは、その人その人の価値観でどっちが優れているかという気持ちで選びます。全部じゃないですけどほとんどは、ざっくりいうと善と悪で構成されています。
「世の中には二種類の人間がいる、できる人間と、批判する人間だ」(レーガン大統領)
できる人間は偉いって言ってます。善です。できる人間だと思う人はいい気分になれます。
「この地上には二つの人種しかいない。品位ある人種とそうでない人種である。」(ヴィクトール・フランクル)
品位ある人は偉いっていってます。善です。自分はそっちだと思う人はいい気分になれます。
「世の中には二種類の人間がいる。善人と悪人だ。」(ウッディ・アレン)
善人は偉いって言ってます。これなんて善と悪そのまんまですね!自分はそっちだと思う人はいい気分になれます。
「大きく分ければ、人間は二種類しかいない。」(ゲーテ)
これなんて内容ないんです!自分で選んでねです。要は分けたんです。分けたいんです。
これらの出典はネットでサクサク探しただけなので文章の前後もよくわからんし、実際のニュアンスは違うかもしれない。ましてや僕がその人から聞いたわけでもないので本当のことはわかりません。(ごめん〜)もし本当だとするのなら、とってもとっても立派な方ばかりの発言なので、何か得るものがあるのかもしれません。一ついえるとすればこの世は二元性でできているという事でしょうか。
でもやっぱり感じてしまう違和感。僕が思うのはこんな感じです。
なんで分けるのだろう?何かを2つにわけるとまず距離ができます。物理的にも気持ち的にも。距離ができると壁ができます。なぜなら一つだったのに2つに分けたから。そして差が生まれてそこから争いが起こります。ましてや人間を二種類にわけたら ほら、えさだぞ 争そえ! っていってるようなものだと思うのです。格言なんだからそんな大げさな!という意見もわかるんですけど、わざわざ分ける気持ちってなんかしっくりこないし、元気にならないと思うんです。
しかも格言だから、なんかどどーんとしてて偉そうな感じも勝手に感じちゃったりして、どっちかというと、そんな事言わなくていいのに。と思っているので、なんでそんなに堂々としてんだよ!みたいな気分になっちゃうんです。(そんな気分になる必要はないような気もするが。。)
そんな中でもこれはいいじゃん。と思ったものがあります。
世の中には二種類の人間がいる。自分と自分以外だ。(six feet under アメリカのドラマ)
これは好きです。この壁は超えるに値するんじゃない?って思います。
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